肛門周囲膿瘍についてご相談ください
川崎市中原区のわかばこどもクリニックでは、子どもの肛門周囲膿瘍についてご相談いただけます。 「赤ちゃんの肛門の横が赤く腫れている」「おしりに膿をもったできものがある」「自然につぶれたが、そのままでよいのかわからない」と心配になる保護者の方もいらっしゃると思います。 肛門周囲膿瘍は、特に1歳未満の男の赤ちゃんにみられることが多い病気です。乳児では自然に落ち着く場合もありますが、膿がたまって痛みや発熱が生じたり、腫れと排膿を繰り返したりすることがあります。小児科に相談してよい症状ですので、肛門周囲の腫れや膿に気づいたときは、自己判断でつぶさずにご相談ください。
肛門周囲膿瘍とは
肛門周囲膿瘍とは、肛門の周りに細菌感染による炎症が起こり、皮膚の下に膿のたまりができた状態です。肛門の横に赤いしこりや腫れが現れ、膿がたまると中心が白っぽく見えることがあります。 乳児期、特に生後1か月頃から1歳頃までの男の子に多くみられます。膿瘍が自然に破れたり、処置によって膿が出たりすると、いったん腫れが小さくなることがあります。一方で、肛門の内側と皮膚との間に膿の通り道が残り、同じ場所から腫れや排膿を繰り返すことがあります。この状態を「乳児痔瘻(にゅうじじろう)」と呼びます。
このような場合はご相談ください
このような場合はご相談ください
- 赤ちゃんの肛門の横に、赤い腫れやしこりがある
- おむつ替えや排便のときに痛がって泣く
- おむつ替えや排便のときに痛がって泣く
- 同じ場所が何度も腫れたり、膿が出たりしている
- 発熱や哺乳量の低下、元気がないなどの症状がある
症状
肛門の横に赤い腫れやしこりができる
肛門のすぐ横に、赤く盛り上がったしこりが現れます。最初は小さな赤みだけでも、膿がたまるにつれて腫れが大きくなり、触れると硬く感じることがあります。中心が白色や黄色に見える場合は、皮膚の下に膿がたまっている可能性があります。
おむつ替えや排便時に痛がる
腫れた部分に便やおむつが触れると、赤ちゃんが強く泣いたり、機嫌が悪くなったりすることがあります。乳児は痛みの場所を伝えられないため、抱き上げたときに泣く、眠りが浅い、哺乳量が減るといった変化として現れることもあります。
膿が出て、腫れを繰り返すことがある
膿瘍が自然に破れると、膿や血の混じった液が出て腫れが小さくなることがあります。しかし、内部に膿の通り道が残ると、いったん改善した後に同じ場所が再び腫れることがあります。排膿と腫れを繰り返す場合は、乳児痔瘻になっていないか確認が必要です。
原因
肛門の内側から細菌が入り込む
肛門の内側には「肛門陰窩(こうもんいんか)」という小さなくぼみがあります。ここから細菌が入り、炎症が皮膚の下まで広がることで膿瘍ができると考えられています。乳児は腸管や免疫機能が発達の途中にあるため、感染が起こりやすい可能性があります。
やわらかい便や下痢が影響することがある
乳児期は便がやわらかく、排便回数も多いため、肛門周囲が便に触れる機会が多くなります。下痢が続いている場合は皮膚への刺激も増え、炎症を起こしやすくなります。ただし、保護者の方のお手入れ不足が直接の原因というわけではありません。
おむつかぶれなど皮膚側から感染することもある
おむつ内の蒸れや便・尿の刺激によって皮膚のバリア機能が低下し、傷んだ皮膚から細菌が入ることもあります。なお、幼児期以降の発症や治りにくい症例では、まれに炎症性腸疾患や免疫機能に関係する病気などが隠れていることがあるため、経過に応じた評価が必要です。
日常生活での注意点
排便後はこすらず、やさしく洗う
便が付いたままにならないよう、ぬるま湯でやさしく洗い流します。強くこすったり、刺激の強い消毒液を自己判断で繰り返し使用したりすると、皮膚を傷めることがあります。洗った後は押さえるように水分を取り、おしりを乾かしてからおむつを着けましょう。
腫れを押したり、自宅でつぶしたりしない
膿がたまっているように見えても、指で強く押したり、針を刺したりすることは避けてください。炎症が周囲に広がる可能性があります。自然に膿が出た場合も清潔なガーゼなどで拭き取り、患部の状態を医療機関で確認してもらいましょう。
下痢や便秘、おむつかぶれも相談する
下痢や便秘が続いている場合は、便の状態を整えることも大切です。おむつかぶれがある場合には、皮膚の状態に応じたケアを行います。保育園に通っているお子さまは、排便後の洗浄や薬の使用について、医師の指示を園と共有しましょう。
治療方法
腫れや膿、全身状態を診察します
診察では、腫れの位置や大きさ、赤み、痛み、膿の出口の有無を確認します。発症した時期、同じ場所で繰り返しているか、発熱や下痢がないかなども治療方針を決めるための大切な情報です。多くは診察によって判断されますが、経過や症状によっては追加の検査が検討されます。
清潔を保ちながら経過をみることがあります
乳児の肛門周囲膿瘍は自然に排膿し、成長とともに落ち着くことがあるため、症状が軽ければ肛門周囲を清潔に保ちながら経過をみる場合があります。状態に応じて外用薬、内服薬、便通を整える治療などが検討されます。抗菌薬が必要かどうかは、炎症の広がりや発熱などを踏まえて医師が判断します。
膿が多い場合は排膿処置や小児外科への紹介を検討します
膿が多くたまって強く腫れている場合や、痛み・発熱がある場合には、切開して膿を出す処置が必要になることがあります。また、腫れと排膿を長期間繰り返す、乳児期を過ぎても治りにくいなどの場合には、小児外科での詳しい診察や治療を検討します。処置や手術の必要性は、お子さまの年齢や経過によって個別に判断されます。
受診の目安
肛門の横に軽い赤みがあるものの、腫れが小さく、お子さまの機嫌や哺乳、食事が普段どおりであれば、患部を清潔にして短時間経過をみることもあります。ただし、初めての症状は、おむつかぶれや別のできものとの区別が難しいため、小児科へご相談ください。 赤みや腫れが大きくなっている、触れると強く痛がる、膿が出ている、同じ場所で繰り返す場合は、早めの受診をおすすめします。 高熱がある、赤みがおしり全体へ広がる、ぐったりしている、哺乳できない、繰り返し吐く、顔色が悪いといった症状がある場合は、速やかな診察が必要です。診療時間外であれば、夜間・休日の救急相談や救急受診も検討してください。
川崎市中原区・周辺地域で子どもの肛門周囲膿瘍にお悩みの方へ
川崎市中原区や元住吉周辺をはじめ、川崎市幸区・高津区・横浜市港北区などにお住まいで、赤ちゃんの肛門周囲の腫れや膿が気になる方は、わかばこどもクリニックへご相談ください。 肛門周囲膿瘍は軽く見えても、腫れや排膿を繰り返すことがあるため、経過を確認することが大切です。当院では、お子さまの年齢や患部の状態、全身症状に合わせて診察し、治療や経過観察、必要に応じた専門医療機関への紹介を検討します。「おしりのできものを小児科に相談してよいのかな」と迷わず、気になる症状があればお声がけください。
よくあるご質問
赤ちゃんの肛門の横が赤く腫れています。小児科に相談できますか?
はい、小児科へご相談いただけます。肛門周囲膿瘍のほか、おむつかぶれや毛穴の炎症などでも似た症状が現れます。腫れが大きくなる前に状態を確認することが大切です。
膿が自然に出て腫れが引きました。受診は必要ですか?
膿が出ると一時的に腫れや痛みが軽くなることがありますが、内部に膿の通り道が残り、再び腫れる場合があります。自然に排膿した後も、患部を清潔にして一度ご相談ください。
肛門周囲膿瘍があっても保育園へ登園できますか?
発熱がなく、元気や食欲があり、患部を清潔に保てる場合は登園できることがあります。ただし、膿が多い、痛みが強い、処置直後であるといった場合は、園での対応も含めて医師にご確認ください。
家庭で薬や消毒液を使ってもよいですか?
市販の抗菌薬や消毒液を自己判断で使用すると、皮膚への刺激になったり、状態を判断しにくくしたりすることがあります。処方された薬は指示された量と回数を守って使用し、それ以外の薬を使う前には医師へご相談ください。
何度も再発しますが、手術が必要ですか?
乳児の肛門周囲膿瘍や痔瘻は、腫れと排膿を繰り返しながらも、成長とともに自然に落ち着く場合があります。すべてのお子さまに手術が必要なわけではありません。症状が長引く場合や年長児で繰り返す場合は、小児外科での評価を検討します。
監修医情報

わかばこどもクリニック院長の宮沢 啓貴(みやざわ ひろたか)です。私はこれまで、薬剤師として約10年間、小児の調剤・製剤業務に携わるとともに、研究所にて食物アレルギーなどの研究にも従事してまいりました。 その後、より深く小児医療に関わりたいという想いから医学の道を志し、医師となってからは小児科一般診療をはじめ、主にアレルギー診療に携わってきました。 当院では、前院長より受け継いだ「家族にやさしい医療」を大切にしながら、お子さま一人ひとりに寄り添った丁寧な診療を心がけています。また、薬剤師として培った薬の知識も活かし、お薬の選択や使い方についてもわかりやすくご説明いたします。 お子さまの成長や健康について、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。
資格・所属学会
- 日本専門医機構認定 小児科専門医
- 日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医
- 薬剤師
- 日本小児科学会
- 日本小児アレルギー学会
- 日本小児臨床アレルギー学会
- 日本東洋医学会
- 日本小児東洋医学会
- 日本小児心身医学会